Kain Poleng ポレン布
バリ・ヒンドゥー教の世界観
を表したスピリチュアルな布
バリ島に来てあちらこちらでよく見かけるもの。ポレン布もきっとそのひとつに含まれるだろう。白と黒で織られた格子柄のこの布は、石像や祠、大きな菩提樹に巻かれていたり、有名なケチャックダンスの円陣を組む男性ダンサー達のサルン(腰布)であったり、プチャランと呼ばれる、宗教儀式の際の警備担当者が身につけていたりと、バリの人々にとってとても身近であり、欠かすことのできない布なのだ。というのもこのポレン布、実はバリ・ヒンドゥー教の世界観をシンプルに表現した、マジカルなパワーを持つ布。そのため、寺院や祭具などの装飾に使ったり、宗教儀式や祭事に参加するバリ・ヒンドゥー教徒が身につけたりするのだ。白は善、黒は悪の象徴とされ、白と黒、善と悪、陰と陽など、相対する2つが同じバランスで存在しているからこそ世界が成り立っているという、バリ・ヒンドゥー教の根本的な教えが表現された布。善と悪の果てしない戦いが続くとされる、有名なバロンダンスも、ポレン布と同じことを解いている。お祈りも同様で、神さまにお供え物をするのと同じく、悪霊に対しても、お供え物を欠かさない。バリ・ヒンドゥー教の教えは、ポレンという布に至るまで、ちゃんと通じているのである。