Layang-Layang ラヤンラヤン

南国の大空に舞う伝統のバリニーズ・カイト

ラヤンラヤンとはインドネシア語で「凧」のこと。バリの男性は凧揚げが大好き!乾期の真っ只中であり、青空が広がる7〜8月は、オーストラリアからの強い季節風の影響もあり、凧揚げのベストシーズンだ。村に行っても、子供たちがシンプルな手作り凧を揚げている姿をよく見かける。子供はもちろん、大人も童心に返って一緒に凧を揚げて遊んでいる姿はなんとも微笑ましい。

毎年8月には、サヌール海岸にてバリ島をあげての凧揚げ大会も開かれ、バリ島内のバンジャール(村の共同体)がそれぞれの威信をかけて競い合う。一日でなんと約1,000基の凧が揚がるそうだ。この凧揚げ大会の凧、大きさも半端でなく、広げると何十mもの幅になるものや、尾っぽのある凧は200mを超える長さのものもある巨大凧。凧糸も糸ではなく、しっかりとしたビニールロープ。そのため、凧の移動はトラックを使ったり、近いバンジャールだと一般道路を凧を担ぎながら歩いて移動するため、交通渋滞を引き起こすこともしばしば。なんだか、とても贅沢な娯楽のようにも感じるが、実は、この凧揚げ大会、「風の神様」への奉納の儀式でもあるのだ。そのため、参加者は皆、民族衣装で参加。大会前には大凧に供物を捧げ、儀式を行うという、いかにもバリらしい催しである。小さな手作り凧から大凧まで、バリエーション豊富なラヤンラヤン。乾期で一番の風物詩といえるだろう。