Ogoh-Ogoh & Nyepi オゴオゴ & ニュピ

賑やかに悪霊を追い払い、 静かに新年を迎える

ニュピはサカ歴に基づいて迎えるバリの新年だ。ニュピを迎える前はとにかくお清めの儀式が多い。中でもお清めの最大イベントといえる儀式がオゴオゴ。オゴオゴとは、悪霊を象った大きな張りぼて。長く尖った歯、長く延びた舌、長い爪など、悪霊独特の特徴がそれぞれある。若者たちがオゴオゴを乗せた竹の櫓を担ぎ、村を練り歩く。時にはぐるぐる回ったり、持ち上げたり、走ったりと、エネルギーと熱気で満ちあふれていて、見応えたっぷりだ。このオゴオゴはニュピの約1ヶ月前から製作をスタート。制作費は寄付で賄われ、時間もお金も要するが、最後には悪霊が生き返らないよう、いとも簡単に燃やしてしまうのが普通だ。しかし近年では、ニュピが終わっても道脇に飾ってあるオゴオゴを見かけることもしばしば。各家庭でも鍋を叩いたりと、大きな音を出し、煙を焚いて、家に潜んでいるブタカラ(悪霊)を追い出す。また、この日は、夕方には主要道路が閉鎖されるため、外出の帰宅時間には気をつけたい。
日が変わってニュピはオゴオゴとは正反対の静寂に包まれたサイレントデイ。空港も一日完全閉鎖され、島民はもちろん、観光客も外出禁止を余儀なくされる。火や明かりの使用も禁止という禁止尽くめの日。しかし、何もできない新年だから、自分をゆっくり見つめ直したり、振り返ったりすることもできる、ある意味贅沢な日でもある。

1/オゴオゴはバリ全土のあちこちで行なわれるが、バリ島の中でも最も派手という評判のクタのオゴオゴ 2/オゴオゴの儀式はニュピの前夜だが、先立って各村の共同体同士で競争し、優れたものから順位をつけたりすることもある3/オゴオゴはもちろん、宗教儀式には欠かせないバラガンジュール隊(ガムランのマーチングバンド) 4/ニュピ前日の夕方には、道路にオゴオゴが並び、主要道路は完全封鎖 5/ウブド王宮の前に並ぶオゴオゴに観光客のシャッター音が絶えない。芸術の村ウブドらしく、オゴオゴの完成度もさすが