Songket ソンケッ
華やかな祭礼にぴったりの豪華な手織りもの
インドネシアは、バティックやイカットなど、テキスタイルの宝庫としても有名。その中でも、ソンケットと呼ばれる布は、金糸や銀糸、色糸を使って、文様を浮き出すように織っていく高級手織物だ。日本で例えるなら、錦や金襴といったところで、昔ながらの腰機を使うため、布幅は大体50センチくらい、サルン(腰布)用には2枚をつなぎ合わせるのが普通だ。、一本一本丁寧に横糸を通していく作業が延々と続き、1時間にほんの数センチしか織ることができない。16世紀の王朝時代には、金糸は本物の金箔を貼付けていた高級糸だったため、宮廷衣装として、王族、貴族のみ身に付けることが許された特別な布だったが、現在は金銀色の比較的安価な糸が普及したため、一般にも広まるようになった。高価なソンケットは、結婚式など大きな宗教儀式のある時に登場し、さらなる華やかさを演出してくれる。新郎新婦がお揃いのソンケットを身につけることも多い(写真下)。また、ウルワツにある高級リゾート、ブルガリのベッドルームには、ベッドアクセサリーにソンケットが使用されており、インテリアとしても注目されている。ソンケットはインドネシア各地で織られているが、地域によってかなり異なる。バリ島では、ヌガラやカランアッサム、クルンクンの工房が有名。